RIDEALIVE in 山梨 Day1
2018/12/16

RIDEALIVE in 山梨 Day1


RIDE DATA

天気
晴れ
平均気温
20
ライド獲得標高
1539m
ライド時間
7:30
走行距離
36.3km
宿泊
金峰山荘キャンプ場

山梨でRIDEALIVEを

そう声をかけていただいた時、僕は飛び上がった。舞い上がった。

だって「RIDEALIVE」だ。

遊ぶこと、生きることを、自転車を通して、自転車だからこそ見える視点で表現する。
こんなにワクワクする示し方ってあるだろうか。

僕にとってはずっと憧れのイベントだった。
だからこそ飛び上がるほどうれしかった。

しかし、同時に大きなプレッシャーを感じずにはいられなかった。

それは「山梨」と言うフィールドへの評価を背負うこと。

山梨への想い、RIDEALIVEへの憧れの強さが重なり、まず気負った。
気負わずにはいられない。。。
気負っちゃますよね。

今回の旅は2泊3日に及ぶ。

2泊か、、、
2泊だもんな

一発感動なら八ヶ岳や富士山。
間違いないエリアが山梨にはある。

でも、自分たちの足元は山梨のおヘソ甲府だ。
ここをやっぱりベースにしたい。

若干あたふたしはじめた僕に心強い助っ人が現れた。

今回のアンバサダー、自転車とは深い関わりをもつRawLow Mountain Worksのデザイナー亮太郎さんと、山梨に拠点を移し、仕事も遊びもなにかと一緒なTORAYA EQUIPMENT 旅道具トラヤの浦壁さんだ。

夏、灼熱の甲府盆地でまずはテストライド!!!

「きつい、キツすぎ!!!」

当初目星をつけたコースはアウト!!!!!
できる限り緩やかに行こうとした結果が招いた失敗だった。

甲府を廻るどのコースも、どこをどう切り取ってもきつい。
そう、盆地である甲府の山あいで遊ぶ事、そこに激しい登りは避けられない。

曖昧に誤魔化すのはやめよう。
だからこそ甲府の深い山が楽しめる。

絶対に成功させたい。
さらに思いは深まる。

甲府を遊ぶ覚悟を決めた。

ぎりぎりまで道を探した。

一番しんどいDAY1

そんなこんなで
迎えた当日。

週末に台風ばかり。
空に文句を言いそうだったのに、この日は空が味方してくれた!
夜半までの雨から空がじわじわ青空に変わっていく。

「持ってるのは俺だ」と亮太郎さん。
「いや俺も持ってるよ」と僕。

出発地は甲府の玄関、甲府駅北口。
名古屋や東京、いろんな場所から自転車loverが集まってくれた。

甲府の山域は駅より北側になる。

まずは武田神社を目指す。その昔、武田信玄が居を構えていた場所だ。

いつもお世話になってるAKITO COFFEE前を通過し、
まっすぐと伸びたゆったりとした登り坂を1.5km程進むと突き当たりに武田神社が現れる。

心の中で3日間の旅の無事を祈る。

ここからいよいよ、盆地から山に入る。
まだ足元はアスファルトだけど、徐々に重くなるペダルからここは山の裾野だと否が応でも感じさせられる。

神社の駐車場に入り、ここからのコースの概要をみんなに説明する。

「キツいです!!とにかくキツいです!!めちゃくちゃです!!」

とにかく辛いって事を持ってる言葉全てで伝えたかった。

ここから約8km先にある甲府市と北側の山梨市の境に位置する太良峠まで激坂が続く。

真っ正面から山に挑む。

甲府駅から距離にして10kmにも満たないが獲得標高は約900mにもなる。

時間をかけてゆっくり休みながら行けばいけるよ。
辛ければ押せばいいくらいの気持ちでいこう。
それぞれのペースで、時間をたっぷりかけてもいいセクションだ。

本当にしんどいのはここだけ
最初にやっつけるのはここだけ・・・!
そう心に何度も言い聞かす。

「フー、、しんどーい」
「誰だよーーこのコース考えたのはーーーー」

「はいはいーー」

重さを増すペダルと格闘していくうちに、
徐々に民家が少なくなり、緑が濃くなっていく。

武田信玄の産湯を汲んだといわれる井戸がある積翠寺周辺の集落を超え、坂を登り切る。

振り返るとついさっきまでそこにいた甲府盆地が眼下に広がっている。

このビューポイントで、一旦みんな揃うのを待つ。

ここからだ。

最大難関激坂エリアに突入する

「じゃあ行きますか」

心にエンジンを入れ直す。

山城だった要害山を右手に
積翠寺温泉を過ぎると一段と山は深くなる。

アスファルトが、石畳のような細い道へと変わり、最高勾配20%の激坂がやってきた。

ヒーヒーとあがる心拍。
プルプルと脚が悲鳴をあげだす。

自転車を押し出す人もチラホラ。

ここだよ、ここさえ超えればだよ!
自分の心の中でみんなに伝えた。

と、と、と
この最難関エリアに突如
癒しの空間が現れた!!

SUNDAYを支えてる
姉妹スタッフひーちゃんとまゆねーちゃんが
とびっきりの笑顔でエイドを構えてくれた。
激坂エリアに現れたオアシス!

テーブルにはシュワシュワっと冷えた飲み物と、
山梨の秋の恵み、ぶどうが並ぶ。
これぞフルーツ王国山梨の自慢だ!

山の中に突如現れたご褒美に、
今日初のみんなからの「最高」の言葉と笑顔があふれた。

よし、リセット&チャージ完了!

押す、漕ぐ、進む、休む
それぞれのペースでなんとか
みんな峠を乗り越えた。

続いて出てくるのは緩やかなアップダウンを繰り返す水ヶ森林道。豊かな甲府の水瓶を覆う森の中を進む。

時折富士山や南アルプスの山々が姿をのぞかせる。

キャンプ地に着く頃には日がだいぶ傾き、空と山を赤く染め出す。

ヤナックと2人、最後尾でみんなとはちょっと距離を置いて進んでいた。

1日目のコースラストを飾る乙女湖の橋の上で、
富士山と空に浮かぶ月を見たとき
2人で思わず声をあげてそこに足を止めた。

何度も下見に通っても、ここまでの景色は見たことなかった。

ミラクル。
そんな言葉が心に浮かぶ。

なんだかとてもホッとした気持ちになった。

ようやくたどり着いたこの旅のベースキャンプ、金峰山荘。

山小屋と民宿の間のような、程よさが心地良いキャンプ地。
まるで今回のRIDEALIVE
のためにそこに存在したかのよう。

疲れたら美味しい料理を食べよう

キャンプ地では仲間のBumpy FishのクボヒデシェフとFar Yeast Brewingのマイザック氏がとびっきりのフードとクラフトビールを用意して迎えてくれた。

テントを張ると直ぐに
極上のビールが喉を潤してくれた。

「うめーーーーーーー!!!!」
叫びたくなる

ファーイーストブリューイングのマイザックこと宮崎君は
シンプルに紹介するとベリーベリーナイスガイ。

彼の引き出しの多さにはいつも感心させられる
トレイルランニングの仲間も多く
トレイルランニングチーム「トレイル鳥羽ちゃん」の創設メンバーでもある。

現在は奥様の生まれ育った山梨県の塩山に居住し
小菅村にあるファーイーストブリューイングにて活躍中だ。

今回の事も快く引き受けてくれた!!
いつもありがとう
マイザック♡

ビールで喉を潤したあとは、湧き水で沸かす山荘のお風呂で、激坂の疲れを癒す。

さっぱりと汗を洗い流したら、
今宵のスペシャルディナーのはじまりだ。

シェフはバンピーフィニッシュフードサービスのクボヒデさん。

僕のOMM BIKEのパートナーでMTBの師匠。
なんでも器用にこなしちゃう多彩人。
彼のブランドBUMPY FINISHのウッドデコレーション・アウトドアアイテムをSUNDAYでも展開している。
また富士山の麓で人気レストランを経営。
(豪遊しすぎて現在はやめてしまった、、笑)
現在はバンピーフィニッシュ フードサービスとして仲間の依頼のみに登場するケイタリングスタイルでとびきりの料理を提供している。

次々と運ばれてくるディナーに歓喜の声。

クボヒデシェフとマイザック、この2人が揃えば無敵だ。

旅の最初の夜を彩るのに僕はなんの不安もなかった。

彼ら自身がRIDEALIVEを楽しみにしてくれて、当日も一緒に楽しんでくれて、一緒に笑う。
これって本当にすばらしいこと。
そしてRIDEALIVEには必要なこと。

あんなに疲れたのに、この時間をまだ楽しんでいたい。
惜しむようように1日目の夜が更けていった。


Today's Rider

RIDEALIVE in 山梨 Day1


Rawlow Mountain Works 谷口亮太郎

僕は子供の頃、夏休み図書館に行ってマーク・トウェインの物語を読むのが大好きだった。トムソーヤやハックルベリーフィンと空想の中で一緒に冒険の旅に出かけるのだ。

僕が山に行ったり自転車の旅に出かけるのが大好きなのは、そんな妄想的バックグラウンドがあったりするんだけど、単純にいまだマインドが小学生ってだけなんだと思う。

あれから40数年が経った2018年夏、オッサンになった永遠の小学生はちょっとだけ便利なギアを手に入れて最高の仲間と最高の冒険を甲府で体験した、もちろん空想ではなくて現実で。

うおーー!最高!って心の底から叫べる瞬間って実はありそうでなかったりするんだけど、幸運なことにRide Alive 甲府で僕らは体感できたよね。

少し前置きが長くなったけど、自転車って言うまでもなく旅の移動のツールとしては素晴らしくて、もしも自転車で行けなくなったら、その先は二本の脚で歩けば良いわけで、この2つをミックスした旅って実は最強なんじゃないかな?っていつも思ってた。

そんでもって美味い飯と美味い酒、ちょっとだけの寝られるスペースさえあれば、もう何もいらないっしょ!

そんな欲張りでワガママな僕らの欲求を奇跡的にというか必然的に全て満たすことができたのが、今回のRide Aliveだったのです。(3日間の晴天っていうオマケも付いて)

ここではあえてBike to Hikeのレポートは僕から語りませんが甲府という美しいロケーションや暖かいローカルの人たちとSundayクルーがいなかったらこの最高にイカれた冒険旅は実現できなかったし、Circlesが繋げてくれたコミュニティに本当に感謝!

そしてそして、今回一緒に旅を共有してくれた仲間にBig thanks & respect !

冒険の続きはまた来年


Rawlow Mountain Works
http://rawlow.jp//



 

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