初めて旅行に自転車を持って行ったのはいつかの金沢だった。
(そして、近くでバンキンというトラックイベントをやってるらしいので行ってみたのが名古屋勢との初邂逅。)
それまでの狂ったように歩き回る旅行スタイルに比べて、あまりにも充実した旅行になったので、それからは多少大変でも自転車を持って行く。もしくは乗っていく。
自転車で走ると街の骨格がすぐにわかるのが素晴らしい。
山や川や海の方向、街の中心が何で、そこにどう繁華街がつながって、街区がどのように分かれているのか。
地図の情報が、匂い、雰囲気、空気をともなって立ち現れる。
リストアップした行きたい場所もどんどん回れるし、街とその場所とのつながりも把握できる。
朝のうちにバガン観光のベースタウン、ニャウンウーというカワイイ名前の町に到着した。ミャンマーにはニャンニャン系の地名がけっこう多い。
10分ぐらいで端までいける小さな町なので、とりあえず1周走ってみる。
町について最初にやる事は宿探しだ。
Gest Houseと書かれた建物はいくつかのエリアに分かれて密集している。
何件か見て回り、市場に近い所にした。シングルルーム12,000チャット(1,200円)/1泊。ちょっと高いけど、まあいいか。自転車はロビーで保管してくれる。
そして次にやることは、帰りの段取り。
飛行機に搭乗するヤンゴンまで行かなければならない。
距離700-800kmぐらいなので自走で行きたいけど、時間が無いので、旅行会社も兼ねている宿のロビーで夜行バスの手配をする。
この2つの手配を終えるとひと安心。
ベッドでちょっと寝てしまい、気づくとお昼を回っている。
遺跡群を巡る前に昼ごはんを食べようと街へ出た。
これはたぶんお葬式。大音量でお経を流している。
西暦849年に作られたタラバー門を通って城壁とイラワジ川に囲まれたオールドバガンに入ると少し空気が変わる。11世紀から13世紀にかけて、初のビルマ統一王朝として栄えたバガン朝の都であり、王朝がモンゴル人に滅ぼされた後も上座部仏教研究の地として栄えた。
高さが60mを越えるものから、人ひとりやっと入れるぐらい小さいものまで大小様々な仏塔や寺院が点在しているエリアを自転車でぐるぐると回る。ちらほらと村もあるが、多くが農地や牧草地で、その間を縫う迷路のようにシングルトラックやジープ道がはしっている。
残念ながらバガンに来る一週間前にここの南方20km地点を震源とするM6.8の地震が発生。多くの遺跡が被害を受けた。ユーラシア大陸にインド亜大陸がぶつかっているこのプレート境界エリアはもともと地震が発生しやすく、1975年にも大規模な地震があり、その時よりはましだと現地の人は話していた。
最も美しいとされるアーナンダー寺院をはじめ、多くのパゴダが修復中だったが、被害が少なく、中に入れたり、よじ登ってサンセットを見る事ができるパゴダもあった。
イラワジ川に近づくと地元の人達の生活感がでてくる。
マンダレー方面や対岸に渡る人達の船着き場の先に現役の寺院があり、ひっきりなしに僧侶や修学旅行と思われる学生達、ミャンマー人の国内観光客が訪れて祈りを捧げていく。
バガンはあくまで遺跡であって、多くの僧侶や地元の人の信仰や修行は”現役”のパゴダや僧院で行われる。このイラワジ川沿いの美しい寺院はバガン王朝の頃に作られ、今でも現役で信仰を集めている。
このパゴダに目が醒めるようなかわいいビルマンガールがいたけど、写真が撮れず。。基本的にビルマの人達はシャイでなかなかカメラを向けさせてくれない。
変わりにダマヤンジー寺院の、かわいいこの子を。
バガンから南東に60km、ポッパ山の麓にある民間信仰の聖地へ。
気温は35度を越え、日陰は期待できない。水分補給の心配があっのたが、結局は大量のロードサイド店があって杞憂に終わった。
ポッパ山への道はとにかく気持ち良かった。
特にByat ta pan sat通りに入ってからは、地元の村を抜け、なだらかな丘の尾根道が続き、チークやネムノキ、タマリンドなどの有用な地元樹木が植林されている並木道がとても美しい。
木の下にいるのは物乞い。50m毎の樹の下に1組ずつ出てくるのが謎だった。
火山の単独峰ポッパ山の麓にある聖地タウン・カラッが近づいて来る。
ナッ神と呼ばれるミャンマーのアニミズム的カミサマは、日本の神道の古事記をそのまま人の形にしたような激しい存在。
国教である仏教にも取り込まれつつ、様々なカタチに姿を変え、憑依したりお守りになったりして信仰されいるようだ。
帰りはピックアップトラックにでも乗せてもらうかと思っていたけど、道があまりにも良かったので自走で帰る事にした。西日を受けて走りながらながら、ニャウンウーから村に帰る多くの出稼ぎの人達とすれ違った。
ロードサイド店。ケータイの広告が出てないところは珍しい。
日没までまだ少しあったので、昨日とは別のパゴダによじ登ってサンセットを待つ。いつも物売りが絵葉書や布などを買わないかと寄ってくるのだが、今日来た冴えない兄ちゃんは、ひと通り断った後に、じゃあ女を買わないかと持ちかけてきた。バガンにそんな所あるのかと思って聞くと、車で2時間かかる村らしい。そんなのムツゴロウさんしか行かないよ。
ミャンマー料理は不味い。
長らくイギリスの植民地だったからだろうか。昔行ったとなりの元フランス植民地ラオスのご飯はかなり美味しかった。
明日の夜には出発するのでバガン最後の晩餐だと思って、いつもの地元の人があつまるお店よりちょっと高そうなお店に入った。
倍ぐらいの値段(9,000チャット)はするが、抜群に美味しい。ケチるんじゃなかった。。。
翌日の昼も同じ所へ行った。
ビールは安くて美味しい(大瓶1600チャット/160円)。ミャンマービールよりもマンダレービールが好き。
旅が折り返すと急に帰り道の雰囲気になり寂しくなる。
日本の夜行バスより快適なJJ EXPRESSバスに乗り、大都会ヤンゴン、そしてバンコクへ向かった。
つづく。
– Bike to Mt.Popa –
Frame | Rew10Works | Breakaway CX |
Wheel | CHRIS KING & Velocity | ISO SS Hub & Aileron |
Tire | SimWorks by Panaracer | The Homage |
Cockpit | SimWorks by NITTO | Wild Honey Bar & Rhonda Stem |
Rack | Tubes | Duo |
Touring Bag | Porcelain Rocket | Micro Panniers,Mini Slinger,Mr.Fusion V2 |